【vSphere 8.0U3】 ネットワーク設定手順(vSphere Distributed Switch・VMkernel アダプター)

vSphere Distributed Switch(vDS)を作り、iSCSI・vMotion・vSAN 用のポートグループと VMkernel アダプターを 3 台のホストにまとめて設定する手順です。通信ごとに使う物理 NIC(アップリンク)を分け、vMotion と vSAN はアクティブ/スタンバイで冗長化し、iSCSI はポートバインドのために 1 本ずつに固定します。

目次

この記事の前提

参照した公式ドキュメント

設計

各ホストの 5 枚の NIC を次のように使います。vmnic0(管理・仮想マシン)は、インストール時の標準スイッチ(vSwitch0)のままにします。

ポートグループ用途サブネットアクティブスタンバイ未使用
iSCSI-AiSCSI 経路 A10.20.81.0/24Uplink 1(vmnic1)なしUplink 2〜4
iSCSI-BiSCSI 経路 B10.20.82.0/24Uplink 2(vmnic2)なしUplink 1・3・4
vMotionvMotion10.20.85.0/24Uplink 3(vmnic3)Uplink 4(vmnic4)Uplink 1・2
vSANvSAN10.20.83.0/24Uplink 4(vmnic4)Uplink 3(vmnic3)Uplink 1・2
ホストvMotion(vmk1)iSCSI-A(vmk2)iSCSI-B(vmk3)vSAN(vmk4)
doc-esx110.20.85.11410.20.81.11410.20.82.11410.20.83.114
doc-esx210.20.85.11510.20.81.11510.20.82.11510.20.83.115
doc-esx310.20.85.11610.20.81.11610.20.82.11610.20.83.116

iSCSI のポートバインド(ソフトウェア iSCSI アダプターに VMkernel を結び付けて複数の経路を使う方法)では、公式ドキュメントのとおり、VMkernel ごとにアクティブなアップリンクを 1 本だけにし、ほかは未使用(Unused)にします。スタンバイを置くと、ポートバインドに使えません。

vMotion と vSAN は、アクティブとスタンバイを互い違いにしています。ふだんは別々の NIC を使い、片方の NIC が故障したらもう片方の NIC に寄せます。

vSphere Distributed Switch の作成

(1) [Networking] のビュー(左上の地球のアイコン)でデータセンター(DC-doc)を選び、[ACTIONS] → [Distributed Switch] → [New Distributed Switch] をクリックします。

New Distributed Switch

(2) [Name] に名前を入力して [NEXT] をクリックします。

vDS の名前
項目設定値
NameDSwitch-doc
LocationDC-doc

(3) [Select version] で vDS のバージョンを選んで [NEXT] をクリックします。つなぐホストの ESXi のうち、最も古いバージョンに合わせます。ここではすべて 8.0.3 なので [8.0.3 – ESXi 8.0.3 and later] を選びました。

バージョン

(4) [Configure settings] で、アップリンクの数と既定のポートグループを設定して [NEXT] をクリックします。

vDS の設定
項目説明設定値
Network Offloads compatibilityDPU(SmartNIC)にネットワーク処理をオフロードする場合に選びますNone
Number of uplinks各ホストで vDS に接続する物理 NIC の数です4
Network I/O Control通信の種類ごとに帯域を配分する機能ですEnabled(既定)
Default port groupvDS と一緒にポートグループを 1 つ作りますオン
Port group name既定のポートグループの名前ですvMotion

(5) [Ready to complete] で内容を確認して [FINISH] をクリックします。

vDS の作成の確認

分散ポートグループの作成

(1) vDS(DSwitch-doc)を選び、[ACTIONS] → [Distributed Port Group] → [New Distributed Port Group] をクリックします。

New Distributed Port Group

(2) [Name] にポートグループの名前(vSAN)を入力して [NEXT] をクリックします。

ポートグループの名前

(3) [Configure settings] で、[Customize default policies configuration] をオンにして [NEXT] をクリックします。オンにすると、この後のページでセキュリティやチーミングを設定できます。

ポートグループの設定
項目説明設定値
Port bindingStatic binding(仮想マシンやVMkernel をつないだ時点でポートを割り当てる)が既定ですStatic binding
Port allocationElastic にすると、ポートが足りなくなったときに自動で増やしますElastic
Number of ports最初に作るポートの数です8
VLAN typeVLAN を使う場合は VLAN を選んで ID を入力しますNone

(4) [Security] はすべて [Reject](既定)のまま [NEXT] をクリックします。[Traffic shaping](帯域制限)も既定のまま進めます。

セキュリティ

(5) [Teaming and failover] で、[MOVE UP] / [MOVE DOWN] でアップリンクの順番を設計のとおりに並べます。vSAN は、Uplink 4 を [Active uplinks]、Uplink 3 を [Standby uplinks]、Uplink 1・2 を [Unused uplinks] にしました。[NEXT] で進みます。

チーミングとフェイルオーバー
項目説明設定値
Load balancing複数のアクティブなアップリンクの使い分け方ですRoute based on originating virtual port(既定)
Network failure detectionアップリンクの故障の検出方法です。Link status only はリンクの切断で判断しますLink status only(既定)
Notify switchesフェイルオーバー時に物理スイッチへ通知しますYes(既定)
Failback故障した NIC が戻ったら元の NIC に戻しますYes(既定)
Failover orderActive(使う)/Standby(故障時に使う)/Unused(使わない)の順番です設計の表のとおり

(6) [Monitoring]・[Miscellaneous] は既定のまま進め、[Ready to complete] で [FINISH] をクリックします。

ポートグループの作成の確認

(7) vDS の作成時にできた vMotion のポートグループも、[ACTIONS] → [Edit Settings] → [Teaming and failover] で、Uplink 3 をアクティブ、Uplink 4 をスタンバイ、Uplink 1・2 を未使用にして [OK] をクリックします。

vMotion のチーミング

(8) 同じように、iSCSI-A(アクティブ Uplink 1 のみ、ほかは未使用)と iSCSI-B(アクティブ Uplink 2 のみ、ほかは未使用)のポートグループを作ります。

ホストの追加と物理 NIC の割り当て

(1) vDS を選び、[ACTIONS] → [Add and Manage Hosts] をクリックします。[Select task] で [Add hosts] を選んで [NEXT] をクリックします。

Add and Manage Hosts

(2) [Select hosts] で、[SELECT ALL] をクリックして 3 台のホストを選び、[NEXT] をクリックします。

ホストの選択

(3) [Manage physical adapters] の [Adapters on all hosts] で、各物理 NIC の [Assign uplink] を選びます。ここでの割り当ては、同じ名前の NIC を持つすべてのホストに使われます。vmnic0 は vSwitch0 で使っているので [None] のままにします。

物理 NIC の割り当て
物理 NICAssign uplink
vmnic0None(vSwitch0 のまま)
vmnic1Uplink 1
vmnic2Uplink 2
vmnic3Uplink 3
vmnic4Uplink 4

(4) [Manage VMkernel adapters] では、管理用の vmk0 を移さないので何も変えずに [NEXT] をクリックします。[Migrate VM networking] も同じく何も変えずに進めます。

VMkernel アダプター

(5) [Ready to complete] で、追加するホストの数(3)と物理 NIC の数(12)を確認して [FINISH] をクリックします。

ホストの追加の確認

VMkernel アダプターの追加

(1) ポートグループ(vMotion)を選び、[ACTIONS] → [Add VMkernel Adapters] をクリックします。

Add VMkernel Adapters

(2) [Select hosts] で、[SELECT ALL] をクリックして 3 台のホストを選び、[NEXT] をクリックします。

ホストの選択

(3) [Configure VMkernel adapter] で、[Enabled services] の [vMotion] をオンにして [NEXT] をクリックします。

サービスの選択
項目説明設定値
IP settingsIPv4 / IPv6 ですIPv4
MTUジャンボフレームを使う場合は vDS の MTU と合わせますGet MTU from switch(1500)
TCP/IP stackDefault のほか、vMotion 専用のスタック(vMotion)も選べますDefault
Enabled servicesこの VMkernel で行う通信の種類ですvMotion(vSAN 用は vSAN、iSCSI 用は何も選びません)

(4) [IPv4 settings] で、[Use static IPv4 settings] を選び、ホストごとに IP アドレスとサブネットマスクを入力して [NEXT] をクリックします。ゲートウェイは設定しません。

IP アドレス

(5) [Ready to complete] で内容を確認して [FINISH] をクリックします。

VMkernel の確認

(6) 同じように、vSAN(サービス [vSAN])、iSCSI-A・iSCSI-B(サービスなし)のポートグループにも VMkernel を追加します。IP アドレスは設計の表のとおりです。

【検証環境】iSCSI-A・iSCSI-B・vSAN の VMkernel は、同じ設定を pyVmomi(vSphere の Python SDK)で一括作成しました。Web UI の操作は vMotion と同じです。

設定の確認

(1) vDS の [Configure] → [Topology] で、4 つのポートグループにそれぞれ 3 つの VMkernel ポートがあり、4 つのアップリンクにそれぞれ 3 枚の NIC がつながっていることを確認します。

トポロジー

(2) ESXi の SSH で、VMkernel ごとに通信先へ ping が通ることを確認します(doc-esx1 の例)。-I で使う VMkernel を指定します。

vmkping -I vmk1 -c 2 10.20.85.115
vmkping -I vmk4 -c 2 10.20.83.116
vmkping -I vmk2 -c 2 10.20.81.10
vmkping -I vmk3 -c 2 10.20.82.10

検証環境では、4 つとも「2 packets transmitted, 2 packets received, 0% packet loss」でした(10.20.81.10・10.20.82.10 は iSCSI ストレージの 2 つのポータルです)。

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