Oracle Linux Virtualization Manager(OLVM)4.5 で、スタンドアロン エンジンのインストールからネットワーク・iSCSI マルチパスの 3Tier 構成、仮想マシンの作成と操作(ライブ マイグレーション・HA・経路障害)、GlusterFS とセルフホステッド エンジンによる HCI 構成までの手順をまとめました。手順は公式ドキュメント(Oracle Linux Virtualization Manager)に沿っており、検証環境で実際に操作して画面を撮っています。
目次
手順の一覧
| No. | 記事 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | エンジンのインストールと KVM ホストの追加手順 | リポジトリ、事前チェック、engine-setup、管理ポータルへのサインイン、ホストの追加 |
| 2 | ネットワークの設定手順(論理ネットワーク・ボンド) | 論理ネットワーク、クラスタの役割(移行用)、ボンドの作成、iSCSI 用の IP アドレス |
| 3 | 3Tier 構成:iSCSI+マルチパスのストレージ ドメイン作成手順 | iSCSI のデータ ドメイン(2 経路)、マルチパスの確認、iSCSI ボンドについて |
| 4 | 3Tier 構成:仮想マシンの作成・ライブ マイグレーション・HA・経路障害 | 仮想マシンの作成(HA・VM リース)、ライブ マイグレーション、iSCSI の片系障害、ホストの電源断 |
| 5 | HCI 構成:GlusterFS+セルフホステッド エンジンの構築手順 | Cockpit の Gluster ウィザード、Hosted Engine の展開、HE ホストの追加、ストレージ ネットワーク。現行パッケージで必要だった回避策 4 件 |
| 6 | HCI 構成:仮想マシンの作成・ライブ マイグレーション・HA・ブリック障害 | GlusterFS 上の仮想マシン、ライブ マイグレーション、ホストの電源断、ブリック障害と自己修復 |
検証環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OLVM | 4.5.5(ovirt-engine-4.5.5-1.77) |
| ホスト | Oracle Linux 8.10(UEK 7)× 3 台。Proxmox VE 上の仮想マシン(入れ子の仮想化) |
| エンジン | 3Tier:スタンドアロン(Oracle Linux 8.10)/HCI:セルフホステッド エンジン(アプライアンス、Oracle Linux 9.8) |
| ネットワーク | 各ホスト NIC 5 枚(管理・iSCSI 2 経路・ストレージ/移行用のボンド 2 枚) |
| 3Tier のストレージ | Linux(LIO)の iSCSI ターゲット、ポータル 2 つ(別サブネット)、dm-multipath |
| HCI のストレージ | GlusterFS、engine と data の 2 ボリューム、レプリカ 3(3 台目はアービター)、各ホスト 200 GB × 1 本 |
| 確認した日 | 2026 年 10 月 17〜18 日 |
検証で測った値(参考)
入れ子の仮想化の環境での値です。実機の性能の目安にはなりません。
| 項目 | 3Tier(iSCSI) | HCI(GlusterFS) |
|---|---|---|
| ライブ マイグレーション | 27 秒、ping の欠落 1 回(0.2 秒間隔) | 29 秒、ping の欠落 1〜2 回 |
| ホストの電源断から仮想マシンの応答まで(HA、電源管理なし) | 約 174 秒 | 約 309 秒 |
| ストレージの経路・ブリックの 1 つの故障 | iSCSI の経路が 1 本になり、I/O は継続、ping の欠落なし | ブリック停止中も書き込みは継続、再起動から約 5 秒で自己修復 |
注意点
- GlusterFS を使う HCI 構成は、Oracle Linux 8 のホストでのみ利用できます。検証時点の公式パッケージの組み合わせでは、Cockpit のウィザードどおりに進めると失敗する箇所が 4 つあり、HCI の構築手順に回避策を書いています。
- この検証では電源管理(IPMI などによるフェンシング)を設定していません。HA は VM リースで二重起動を防いで再起動しています。本番では電源管理の設定を推奨します。